私たちが歩んできた道は、創造という名の旅路でした。イベントも、作品も、
ジャンルという枠を越え、新しさを信じ、まだ見ぬ景色を描いてきました。それは、時に新たな文化を芽吹かせ、時に誰かの心に小さな示唆の種を蒔くこと。このページには、そんな私たちの足跡と、無数の「はじまり」の物語を、そっと並べています。
私たちの事業を自分たちの街でも実施してみたい、または新たなことを共創したいという方は、躊躇なくご連絡ください。
クリエイション
アートハッカソン(四国芸術運動会)
国内においてアートシーンを動かす試みとして、アートハッカソンが取り入れられている。アートハッカソンとは、IT技術者や企業などで行われるハッカソンをアートに応用したもので、さまざまな参加者が、テーマに対して決められた時間内で自分の持つのスキルを出し合い、作品を生み出す参加型イベントである。参加者は限られた時間のなかで、コンセプトメイキングや作品の形態などの議論を重ね、作品の方向性を収束させて実現可能な作品づくりを目指す行為は、創造の刺激となることはも ちろん、チームビルディングや組織運営力を向上させる環境としても最適である。また、地方の都市においても、外部との新しい才能と交流するチャンスであり、参加者に とっても自分にない新しい知見や体験をするチャンスとなるイベントでした。講師にはアーティストの加藤翼氏、武内優希氏、審査員には小松島市長、アーティストの河合政之氏など豪華な面々が揃いました。


アクションツーリズムA面B面
CDシングルのA面には、いつも輝くメインの一曲が流れます。けれど、B面――カップリング曲は、ラジオやテレビでは語られず、レコードを手にした人だけがそっと出会う、隠れた名曲となることもあります。私たちの「移住定住」への取り組みも、そんなCDに似ています。きっと誰もが耳にしたことのある「アーティストイン・レジデンス」。著名なアーティストが、しばしの時を土地に刻み、作品を残してゆく。そんなイメージが、今も多くの人の心にあるでしょう。けれど、ここで私たちが紡ぐ物語は少し違います。主役は学生たち。彼らがこの地に暮らし、息づき、制作の時間を体験する、それが私たちの「B面」です。
都会では、作品を発表する機会も多いかもしれません。でも、ものを生み出す“環境”の豊かさは、果たしてどちらにあるのでしょうか。
A面では、小松島の制作環境と出会い、B面では、その空気の中で、実際に手を動かし、心を耕してみる。これまで、そんなささやかなA面、B面を、私たちは二度、奏でてきました。
第1回/A面
東京の喧騒から離れ、東京都内の芸術大学・美術大学の学生たちを、小松島へと招きました。都市と地方、そのあわいに立ち、新たなクリエイションの可能性を、静かに、けれど力強く探しはじめたのです。徳島県小松島という土地の「解像度」は、彼らのまなざしによって鮮やかに高まりました。遠く東京からこの地へ移り、鳴門教育大学で教鞭を執るアーティスト、武内先生もお迎えし、学生たちと私たち、そして町が交わり、響き合う時間が流れていきました。

第1回/B面
A面で出会った東京造形大学の松島さん、そして新たに松山大学から加わった森さん。それぞれが持つ感性とスキルを胸に、今度はこの小松島で、実際に手を動かす「B面」の物語が始まりました。松島さんは、小松島の石にそっと触れ、その質感や重みにインスピレーションを受けて、新たな造形作品を生み出しました。
森さんは、ここに流れる風や光、どこか懐かしい、けれど今も息づく風景を、作品として静かに形にしてくれました。それぞれの視点と手から生まれたものたちは、
この町の空気をほんの少し変え、新たな物語を、そっと刻んでいます。

第2回
二回目では、私たちはコンセプトに新しい息吹を吹き込みました。「生み出す」という行為を、作品という枠から、事業、すなわち“未来をつくる力”へと広げていったのです。全国から集ったのは、起業を夢見る学生たち。そして、建築という大きな志を抱く若者たち。彼らは小松島という町に身を置き、ただ作品をつくるのではなく、実業――この地で本当に根付く未来について、真剣に考えはじめました。小松島が抱える事業承継の課題や、町の未来のカタチ。それぞれの視点で、多くの課題を見つけ、新しい解決の糸口を、具体的に紡いでくれたのです。
静かなこの町に、若い情熱と、新たなビジョンが交差した、かけがえのない日々となりました。

第2回
B面の舞台では、ついに「事業化」という新たな物語が動き始めました。彼らのまなざしがとらえたのは、小松島市にひっそりと佇む、休業中の銭湯。店主の逝去とともに止まってしまった、時を重ねた場所――その未来を、誰もがもう一度温めようとしています。いま、あたらしい息吹を吹き込むための挑戦が、静かに、しかし確かに進んでいます。この町の記憶とともに、新たな物語がまたひとつ、ここから始まろうとしています。どうぞ、ご期待ください。
